開催趣旨
人口減少社会に適応する企業の取り組みの中でも、シニア層の活性化の仕組みづくりは喫緊の課題です。これからのシニアには「自律的なセカンドキャリアの選択」が求められ、長年培ったキャリアを再定義し、自社にとどまらず社会全体でスキルシェアリングする時代が目前です。一企業に長期勤続したシニア層が新たな機会に自ら挑み、価値を発揮するためには、もっと実践的な準備と他社における稼働体験の場が必要ではないでしょうか。
本セミナーは、シニア課題研究の第一人者、地方やベンチャーと長期勤続人材を副業で橋渡しするマッチング企業の代表、本テーマに真摯に取り組んできた先進企業の事例と舞台裏など、全5回のシリーズで学んでいただけます。
スケジュール
【終了】第1回 2021年 5月28日(金) 13:30～14:30
『これからのシニア人材活躍支援の在り方』
第1回のゲストは、人事管理論の大家であり、シニア人材の活躍支援に関しても第一人者でいらっしゃる中央大学大学院戦略経営研究科の佐藤先生をお迎えします。
2021年4月1日に施行された改正高齢者雇用安定法によって、企業が社員に対して65歳を超えて70歳までの雇用機会あるいは就業機会を提供することが「努力義務」となりました。
本講演では、現状の「60歳定年制＋継続雇用制度」における人材活用上の課題を、調査結果を用いて明らかにしていきます。その上で、シニア人材のスキル・仕事意欲などの観点で、企業に求められる活躍支援の方向性についてご紹介を頂くと共に、現状課題への対処に留まらない将来への備えの必要性についてもご講演を頂きます。
【終了】第2回 2021年 6月25日(金) 13:30～14:30
『大企業人材のマッチングの現状』
第2回のゲストは、地方中小企業と大企業副業人材のマッチングを手掛ける、JOINS株式会社の猪尾愛隆 代表取締役をお迎えします。
2018年副業解禁、そして、2020年コロナ禍を機会にリモートワークが普及したことで、全国各地の中小企業に副業・リモートワークで働く、都市部の30-50代大企業人材が急増しています。同社では約400件のマッチング結果から、中小企業で成果を出せる人材は、小さい成果への執着・現場志向・手足を動かすなどの特徴があることが分かってきました。本講演では、現在の副業人材を求める中小企業の特性や抱える課題、上記の特徴が役立つ背景や具体的な事例と共に、同社の大企業人事部との連携から見えてきた、自律シニア人材を増やすための効果的な施策についてもご講演頂きます。
【終了】第3回 2021年 8月27日(金) 13:30～14:30
『生涯現役を期待する人事制度改革』
第3回のゲストは、コンサルティングから、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスをフルラインアップで提供するSCSK株式会社の原田氏をお迎えします。
人生100年時代、65歳までの定年延長義務化の流れの中で、同社は早くから環境変化を捉え、「生涯現役」を期待するシニア正社員制度を2018年に導入。年齢にかかわらず活躍し続けられる人材を育成するために、さまざまな施策を推進してきた同社における仕組み作りとその舞台裏についてご紹介頂きます。
【終了】第4回 2021年10月29日(金) 13:30～14:30
『Win-Win-Win」の社外出向制度』
第4回のゲストは、経営者と一丸となって、独自の出向施策に取り組まれている大日本住友製薬株式会社の東條伸一郎氏をお迎えします。
同社は、社員の活躍機会を社内だけに留めるのは将来難しくなるとの可能性に備え、雇用を守りつつ、社外にも新たな活躍の場を開拓するという出向施策を、経営陣と人事が一体となって推進されて来られました。取り組み始めて約10年、今では前向きで魅力的なキャリア選択肢の一つと社内では捉えられています。Win-Win-Winの実現を目指し、ここに至るまでの人事施策の工夫他についてご紹介頂きます。
【終了】第5回 2022年 1月21日(金) 13:30～14:30
『シニア人材の処遇と職務～逆転の発想で考える処方箋～』
第5回は、雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏をお迎えし、欧米の「ふつうの人」のキャリアを下敷きに、日本型キャリアの問題と「恵まれている点」について考えます。欧米のキャリアを語る場合、たいていは「エリート」の話をしています。そうではなく、大学を出て普通のビジネスマンになった人は、いったいどんな人生を送っていくのか。日本は年収が安い（これは誤解です）と言われがちです。確かにきらびやかに昇進コースを進む若きエリートたちは私たちの何倍も年収を稼いでいます。ところが、欧米の「普通の人」と比べるとちっとも安くはありません。彼らはなぜ、それでも生活ができているのか。日本の「普通の人」たちも、そろそろそちらのキャリア、そしてそちらの生活を期すべきなのではないでしょうか。大企業に長居して、高い給与をもらうようになり、そして、「このままではダメだ」とリカレントに飛びつくという発想を捨て、欧米の「普通の人」型の生き方を範とし、楽に長く働くというテーゼについてお話頂きます。
講師紹介
海老原 嗣生 （えびはら つぐお） 氏
大正大学表現学部 特命教授、厚生労働省労働政策審議会 委員、中央大学大学院 客員教授、合同会社サッチモ 代表社員
大手メーカを経て、リクルートエイブリック(現リクルートキャリア)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計等に携わる。 その後、リクルートワークス研究所にて雑誌「Works」編集長。2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。「エンゼルバンク」（モーニング連載、テレビ朝日系でドラマ化）の主人公海老沢康生のモデルでもある。その他、「みのもんたの朝ズバッ（TBS系10年8月～12年3月まで金曜レギュラー）」「午後のニュースタイム（CSテレビ朝日、13年4月～9月水曜MC)」などテレビ・ラジオ出演も多数。著作は単著31冊、共著多数。
申込方法
現在、参加を受け付けておりません。
主催
株式会社セルム
