Change Acceleration その1
「エクゼクティブ」

株式会社セルム 代表取締役社長 加島禎二  

弊社は、今年度から新中期経営計画(2015~2020)をスタートさせました。この5年間は、日本企業が今後世界で勝ち残れるかどうかを決定づける、大事な時期だと考えています。3つの領域

 人材と組織の開発が、企業の変革を加速させる鍵であり、その役割を果たすためには、人事・人材開発部門内だけではなく、トップを巻き込んで社内各部署との連携・連動が必要です。そのために、我々のような外部機関の力も取り込んで、取り組みのスピードアップが必要ではないでしょうか。そこで、私たちは「We are Change Accelerators. We are One Team」 という新ビジョンをかかげ、今、日本企業がこの数年で早急にバージョンアップすべき人材と組織の開発領域は3つある、と定義しました。 この3領域に新しい価値を創造することで、日本企業の進化に貢献していきたいと思っております。

 本稿ではまず、1.Building Stronger Executive Team (強いマネジメントチームを作る)について、その考えるところと、代表的なソリューションをご紹介する機会と
させていただきます。 

 

エグゼクティブリーダーにフォーカスすべき

この数年、経営トップは失われた20年の後始末を終え、次の成長の種を蒔くべく、果敢に手を打ってきました。大胆な事業ポートフォリオの組み替え、本社のスリム化、原価低減、環境適応、クロスボーダーM&A、新興国市場の開拓、グループ企業の自立化など、多くの難題に矢継ぎ早にチャレンジしてきました。一言で言えば構造改革であり、例えれば、荒れていた田畑をもう一度整備し、その土地に合う種を蒔いたのです。
 これからの経営陣の使命は、これを確実に収穫し、会社を一段上のステージに上げ、さらにその先の成長に向けてイノベーションを起こすことです。
 しかし、世界は時を止めてはくれません。じっくり収穫している暇はないでしょう。おそらく4、5年で勝敗が決まってしまうようなスピード感ではないでしょうか。
 この4、5年で勝敗が決まるとしたら、今、力を発揮しなければならないのは、今、企業の舵を握っているエグゼクティブリーダーなのです。

 また、昨今のコーポレートガバナンス改革もエグゼクティブの最強化を迫っています。日本企業は、成長投資、環境や社会への貢献、株主還元のバランスを高い次元で取るコーポレートガバナンス態勢を、ステークホルダーから明確に求められるようになりました。特に海外投資家が求めてくるのが、グローバルメジャー企業と比較して、相対的に低い利益率を高めることです。
 世界に伍して戦える企業であることを市場に訴えるためには、世界標準の枠組みで戦うことも必要になります。今や企業のエグゼクティブは、自分の事業の売上げやシェアだけを見て頑張る、ということでは務まらない時代になったのです。

 さらにいえば、次のリーダーの枯渇感の問題もあります。これはエグゼクティブが本気で動かなければ、ずっと解決しない問題です。なぜならリーダーはリーダーにしか創れないからです。しかし「リーダーのポジションにはいるが、リーダーを創れない(つまり人を育てられない)リーダー」がいることも事実です。リーダー育成は組織の中のカスケード(小さく連なった「滝」)です。どこかが切れてしまったら、その下に水は流れません。
 人材の育成、特にリーダーの育成ほど重要な使命はありません。
 繰り返しますが、この勝負は4、5年で決まりかねません。今のエグゼクティブリーダーの覚醒を促し、彼ら彼女らの「パフォーマンス向上」と「リーダー育成力の向上」にフォーカスを当てるべきです。

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